11インチMacBook AirにWindows 7をインストール!
今のMacならMac OS X付属のユーティリティ「Book Camp」を使ってWindows 7が動く! ということでMacBook Airにもインストールしてみました |
史上最軽量となる11インチモデルが追加されて話題を集めているMacBook Air。既存のMacユーザーだけでなく、現在、Windowsを使っている人でも「欲しい!」と物欲を刺激されている人も多いはず。
そのWindowsからの乗り換えで気になるのが、MacでWindowsを動かす「Boot Camp」の存在だろう。第1弾「11インチに絶賛の嵐 MacBook Airがやってきた!」、第2弾「フラッシュストレージが速い! MacBook Airを徹底ベンチ」に続き、MacBook Airレビューの第3弾では、Windows 7を使う方法をまとめた。
MacでWindows 7を動かすには?
実はMacでWindowsを使う方法は、大きく分けて2つある。1つは、Boot Campを利用しMac OS X/Windowsのどちらかに起動OSを切り替えながら使うやり方。もう1つはMac OS X上でWindowsを動かすという「仮想化ソフト」や「互換レイヤーソフト」を利用するものだ。
Boot Campのメリットは、CPUやグラフィックの性能をフルに引き出せるということ。例えば、3Dゲームを遊びたい場合は、Boot Campを利用した方が快適だ。ただし、OSを切り替えるためにいちいち再起動が必要なのは面倒かもしれない。
一方、Mac OS Xを立ち上げたままWindowsを使う後者の方法は、再起動せずにMac OS X上の1ソフトとしてWindowsソフトを使えるのが便利だ。仮想化ソフトというと、ひと昔前は「遅い……」という印象だったが、インテルCPUに切り替わったことでかなり体感速度が向上してきている。とはいえMacの上でもう1つマシンを立ち上げることになるので、メモリーを多めに搭載しておいたほうが無難だ(筆者の印象では最低4GBはほしい)。
Boot Campはマシンパワーをフルで使えるのと、タダというのが嬉しいところ |
仮想化ソフトには「VMWare Fusion 3」(ダウンロード価格は5980円〜)や「Parallels Desktop 6」(同8500円〜)がある。Macの専用イメージファイルを作り、別途買っておいたWindowsをインストールすることでWindows環境を構築する |
互換レイヤーソフトには「CrossOver Mac 9」(価格は5880円)がある。こちらはWindowsなしにWindowsソフトをMac上で動かせるが、すべてのソフトが使えるわけではない |
ちなみにBoot Campとは「新兵訓練所」の意味。WindowsユーザーがMacを買った場合、手持ちのアプリケーションを動かせず戸惑うこともある。Mac OS Xに慣れるまでの間、今までのWindows環境をそのまま使えますよ、と新規ユーザーを呼ぶためにに用意されているのが、このBoot Campなのだ。
Boot Campの歴史
MacでWindowsが動くようになったのは、2006年のこと。ざっくりと解説すると、当時、アップルがMacのCPUをPowerPCからWindowsマシン(PC/AT互換機)と同じインテル製に切り替えたことで、Winodwsが使える下地ができあがった。
そして4月にMac OS X 10,4「Tiger」向けにβ版としてBoot Campをリリースし、次のMac OS X 10.5「Leopard」で正式に採用。Windows向けのドライバーなどを随時追加して、普通のWindowsマシンとして使えるようになった。
MacBook AirではUSB接続DVDドライブが必須
MacBook AirでBoot Campをインストールする場合、「」などUSB接続の外付けDVDドライブとWindowsのパッケージが必要となる。
MacBook Airでは、ほかのマシンの光学式ドライブを共有することでネットワーク経由でCD/DVDのデータを読み込めるが、残念ながらWindowsのインストールやDVDビデオの視聴には非対応だ。
MacBook Air SuperDrive。6800円 |
Boot Campが対応しているWindowsは、7/Vista/XPの3つ。7では32bit版だけでなく、64bit版も組み込める。
さらにMacBook Airでは、Windowsのドライバーを組み込むために、USBメモリーやCD/DVDメディアが必要なので用意しておこう。
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Boot Campを使ったWindows 7インストール手順
お次はBoot Campを使ったWindows 7のインストール方法だ。大まかな流れは、以下のとおりだ。
- MacBook Airのフラッシュストレージを分割し、Windows用のパーティションを作成
- Windowsをインストール
- MacBook Air用のドライバーのインストール
では、Windows 7を例に具体的な手順を見ていこう。所要時間はおよそ1時間を見ておけばいい。
ストレージ内の「アプリケーション」→「ユーティリティ」にある「Boot Camp アシスタント」を起動。Windows用のパーティションを作成した上で、USBメモリーやCD/DVDメディアにドライバーを書き込む。後はWindows 7のディスクをセットしてソフトの画面から再起動を指示する |
Windowsのインストール画面が現われたら、インストールする言語や時刻などが日本語になっているか確認した上で「次へ」をクリック |
「BOOTCAMP」と名付けられたパーティションを選択して、ウィンドウ中央右側の「ドライブオプション」をクリック |
ウィンドウ中央に表示された「フォーマット」を押すと、パーティションがNTFS形式で初期化される。さらに「次へ」をクリックするとインストールが始まる |
何度か再起動を繰り返した後に、ユーザー作成画面が現れるので名前を入力して「次へ」を押す |
Windowsのプロダクトキーを打ち込んで「次へ」を押す |
コンピューターの保護について指定する。分からない人は「推奨設定を使用します」をクリック |
ようやくWindowsのデスクトップが登場。デスクトップの解像度がおかしいが、そのままUSBメモリーやCD/DVDからWindows用のドライバーを組み込もう |
CD/DVDの排出
CD/DVDからWindowsのドライバーをインストールする場合、この状態ではキーボード右上にあるメディア排出キーが効かない。「マイコンピュータ」を開いてDVDを選択し、メディアの排出を指示しよう
ドライバーがきちんとインストールされたら、画面解像度も正しくなる。これでBoot Campの作業は完了だ。あとはインターネットにつないでWindowsアップデートを実行しよう |
(次ページへ続く)
性能はまずまず?
インストールついでに簡単にその性能も計測してみた。お手持ちのWindowsマシンと比較してみて、乗り換えの際の参考にしてほしい。テストしたのは11インチMacBook Airの128GBモデル(MC506J/A)と、13インチの256GBモデル(MC504J/A)。
11インチ(MC506J/A)および13インチ(MC504J/A)MacBook Airスペック
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ついでに筆者のマシンである15インチMacBook Pro(Core i7 2.66GHz)も計測してみた。メモリーを最大の8GB、ストレージをSSD(RealSSD C300)に変更し、スペックを現状のノート型Macで最高クラスにチューンしている。
Windows エクスペリエンス インデックス
Mac OS Xでのベンチマーク同様、MacBook AirではCPUが遅くて、ストレージが突出して速いという結果になった。
15インチMacBook Pro+RealSSD C300+8GBメモリ |
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PCMark Vantage
「PCMark Vantage 1.0.2.0」では、総合スコアで13インチモデルが11インチモデルの1.25倍という結果が出た。個別スコアを見るとストレージ(HDD)のグラフが大きく伸びていることが分かる。
なお、HDDとSSDの比較を見るために、今年9月に実行した15インチMacBook Pro(MC373J/A)ベンチマークの値を添えている。Windowsアップデートなどの条件が若干違うので参考値として見てほしいが、ディスクが変わっただけで「HDD」のスコアが大きく伸びていることが分かるだろう。
15インチMacBook Pro+RealSSD C300+8GB |
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ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク
最新の3Dゲームの傾向を見るために「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク」も実行してみたが、「Low」(1280×720ドット)という設定にも関わらずあえなく「【1500 未満】 動作困難」という結果に終わった(しかもMacBook Proまで……)。1、2年ほど前に発売されたゲームや、グラフィックの負荷が少ない2Dのものを遊ぶならまだしも、最新の3Dゲームを快適に楽しみたいなら、最初からWindowsマシンを買った方がいいかもしれない。
「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク」を「Low」(1280×720ドット)設定で実行 |
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