Mac miniをWiki&ブログサーバーとして使う

Snow Leopard Server搭載Mac mini
「Snow Leopard Server搭載Mac mini」

 Mac miniといえば、アルミ製薄型ボディーにMacらしさをギュッと詰め込んだマシン。コンパクトなデスクトップ機を好む層だけでなく、Macの中でもっとも低価格なために入門機として選ぶ人も多いようです(Apple Storeで見る)。

 本連載「Mac mini de 家鯖」では、「Mac OS X Server v10.6 Snow Leopard」(Snow Leopard Server)をバンドルしたIntel Core 2 Duo(2.66GHz)搭載モデルを対象に、ホームサーバーの役割を担う「もう1台のMac」としての活用方法を紹介していきます(連載目次はこちら)。

ウェブブラウザーからMac miniの機能にアクセス

 サーバーは「管理するもの」であり、また「利用するもの」だ。サービスの管理だけではSnow Leopard Serverの全貌が見えてこないため、クライアントソフトを通じてサーバーの機能を活用することも検討してみよう。

 他のサーバーOSと同様、Snow Leopard Serverもウェブブラウザーでのアクセスを前提としたサービスを提供している。デフォルトでHTTPサーバーなどいくつかのサービスが稼働しているため、ウェブブラウザーでアクセスすればいくつかの機能を利用できる。ここでは、Bonjourのアドレス(http://コンピュータ名.local)を指定し、アクセスを開始してみよう。

Mac mini Server側の準備は、サーバー環境設定の「Web」パネルをこのように設定しておくだけ

 サーバーに接続すると、トップ画面には青地の「Mac OS X Server」ロゴと、[My page]、[Wikis]そして[Blogs]のボタンが現われる。ボタンをクリックして認証が完了すると、Mac mini Server上にアカウントを持つユーザーの個人ページへと遷移する流れだ。

クライアント側のウェブブラウザーでアクセスしたときのトップ画面。Safariだけでなく、FirefoxやInternet Explorerでも変わらず利用できる
Mac mini Server上にアカウントを持つユーザーとしてログインする

 「My Page」は、いわゆるホームページで、メール(Mac mini Server上で運用しているメールアカウントにウェブメールでアクセス)やカレンダー、WikiやブログといったMac mini Serverのサービスを一覧するときに使う。最新更新日時も表示されるので、どのサービスにアクセスすべきか(タスクとして滞留しているか)が一目瞭然だ。

 「Blogs」と「Wikis」は、ブログとWikiの各ページに直接リンクしているボタンだ。ウェブページの下部に配置された「マイページ」というリンクをクリックすれば、[My Page]ボタンで表示されるページへ遷移するため、結局はどのボタンからログインしても利用できるサービスは同じだ。

(次ページへ続く)

ブログもWikiもMacらしく

 Mac OS X Serverのブログ/Wiki編集機能は、1つ前のLeopard Serverのとき初登場し、Snow Leopard Serverで強化された。ポイントは2つ、添付した文書をQuick Lookでプレビュー可能になったことと、クライアントとしてiOSを利用できるようになったことだ。

 Quick Lookでのプレビューは、プレインテキストとOffice文書(Word/Excel/PowerPoint)、iWork文書(Pages/Numbers/Keynote)、QuickTimeが対応するムービー/サウンドファイル、PDFなど、Quick Lookがサポートしているファイル形式であればいい。クライアント側からアップロードしたファイルを文書に添付し、それをQuick Lookで閲覧する、といった使い方もOKだ。

ワープロライクに編集作業を行なえるだけでなく、Quick LookなどMacらしい機能も利用できる

 何より、WikiであるのにWiki記法を覚える必要がないという点は、ユーザーフレンドリーなMacらしさを感じる部分といえる。デザインやリンクなどの処理は、に挙げたボタンから実行すればよく、しかもブログとWikiのインターフェースは共通なため覚えることが少ない。個人用途はいざ知らず、業務用の日誌を記録する、といった用途に適しているのではなかろうか。

ブログとWikiで利用できる編集ツール

詳細はこちら
段落スタイルを設定する。見出し(ヘッダ)の大きさやブロック引用も設定できる
行頭を箇条書き/番号付きのスタイルにする。インデントの設定/解除も行なえる
書体を設定する。標準/ボールド/イタリック/アンダーラインなどを指定できる
サイト内部の他ページへのリンクや、外部サイトへのリンク設定などを行なう
QuickTimeムービーやオーディオファイルなどのメディアファイルを挿入する
ファイルをページに添付する(クライアント側からアップロード可能)
表を作成する
HTMLソースコードと表示をトグルする

 Snow Leopard Serverからは、iOSのSafariに最適化されたデザインも採用されている。Wiki/ブログの内容を更新することはできないが、更新をチェックして既読に設定したり、添付されたファイルをプレビューしたりすることも可能だ(Quick Lookではなく別タブでの表示となる)。部や課単位、あるいは小規模事業所での業務管理/報告ツールに便利に使えそうだが、いかがだろう。

Snow Leopard Serverからは、iOSクライアントに最適化された画面でもアクセスできるようになった

筆者紹介──海上忍

 ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、)など。


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