小型Bluetoothキーボード付きiPhone用革ケースを試す

 iOSのソフトウェアキーボードは慣れると軽快に入力できるが、「どうしてもタイプミスしてしまう」「クリック感がないのはどうも苦手」というユーザーも少なくないはず。一方、iOS 4でBluetoothキーボードがサポートされたとはいえ、大きすぎてはせっかくのiPhoneの機動性が損なわれてしまう。

 本稿で紹介する「」(WLSPH4GR)は、数々の独創的(?)なUSBグッズでお馴染み、サンコーレアモノショップが取り扱う製品。iPhone 4がピッタリ収納できる革製ケースに、iPhone本体とほぼ同サイズのBluetoothキーボードを同梱したもので、キーボード単体ではないところがミソ。同店オンラインショップでの直販価格は5980円と、値ごろ感もポイントだ。

革製ケースとBluetoothキーボードがセットになった、サンコーレアモノショップの「無線式ミニキーボード内蔵iPhone革ケース」。直販価格は5980円
閉じたときの厚さは約29mm。「Zaurus SL-C3100」辺りを思い出すと近いかもしれない
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セットアップはサクッと終了

 セットアップは簡単。製品にはドライバCD-ROMも同梱されているが、iPhone 4には必要ない。[設定]→[一般]→[Bluetooth]の順に画面を開いてペアリングの作業を行なえば、iPhone 4の外付けキーボードとして機能する。

Bluetoothペアリングボタンを押すと、LEDランプが青く光る

 付属のキーボードは、USB経由で充電する仕組み。充電は3~4時間で完了し、キーボード右上の赤色LEDが消灯することが満充電の目印だ。連続待受時間は約400時間、連続使用時間は約50時間と長く使えるうえに、バッテリー残量が少なくなると赤色LEDが点滅して知らせる仕掛けも用意されている。

キーボードの充電は上部にあるUSBミニポートで行なう

 なお、HIDプロファイルを使用するBluetoothキーボードゆえに、対応機器は幅広い。同プロファイルに非対応のiPhone 3Gでこそ利用できないが、iPadやiPhone 3GS、AndroidやWindows MobileといったBluetooth対応モバイル機器はもちろん、WindowsやMac、さらにはPlayStation 3でも利用できる。iPhone 4以外にも使い回せる、という点はひとつのメリットになるだろう。

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フレミングの法則のように構えるべし

 肝心の使い心地だが、多少使い手を選ぶといえる。ケースにはキーボードとiPhone 4を支える堅さがないため、両手の小指と薬指でキーボード部分を支えつつ、人差し指でiPhone 4の角度を調整しながら両手親指で入力——という「フレミングの法則」さながらの手の構えになるからだ。

両手の小指と薬指でキーボード部分を支えつつ人差し指でiPhone 4の角度を調整し親指入力、という操作スタイルになる
指で支えないと、このようにiPhone 4はしなだれてしまう

 写真を見て自分は大丈夫と思うかもしれないが、iPhone 4の重さ(137g)は侮れない。筆者の場合、最初の2~3分程度はどうということもなかったが、5分を過ぎたあたりから煩わしく感じ始め、最終的にはテーブルに置いて入力するスタイルに落ち着いた。ケースの留め金が辛うじて背もたれの役割を果たすため、入力作業が長時間に及ぶ場合はこうすべきだろう。

少々心もとないが、ケースの留め具をiPhone 4の背もたれ代わりに利用できる

キーボードの使い勝手をチェック

 キー配列はQWERTYレイアウトの49キーで、キートップは適度な堅さのあるゴム製。電卓か、はたまた往年の8ビットパソコン「JR-100」かという入力感で、押し疲れはないもののキーストロークが深いため、高速な入力は難しそうな印象だ。

QWERTY配列の49キー、キートップは少し硬めのゴム製

 個人的に気になったのはカーソルキー。単独のキーを与えられておらず、[Fn]キーとの組み合わせとなるため、かな漢字変換で候補を選ぶときストレスとなるのだ。

日本語入力のトグルは、[Fn]+[7]のキーコンビネーションで行なう

 [Shift]キーも押しにくい。左右下端という位置は革製ケースがわずかに覆う形となるため、ケースごと押す格好となり、違和感を覚えるのだ。

 このように気になる点はあるものの、革製ケースの質感はそれなりに高く、安っぽさは感じられない。iPhone 4以外にも使いまわせるUSB充電可能なBluetoothキーボードが付いて5000円台、という価格にも訴求効果がある。「できるだけ小さくて、持ち運びに便利な外付けキーボード」を強く望むユーザーには、いい選択肢となるかもしれない。


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